業務内容

木質バイオマス発電で林業に活力を

2015年12月、奈良県内の地域産業の活性化を目指して、豊富にある森林資源のうち製材に利用できない木材を生かしてバイオマス発電が始まりました。奈良県下にある森林組合やリサイクル会社(株式会社I・T・O)が共同で発電事業会社の「クリーンエナジー奈良」が奈良県大淀町馬佐に設立され、県内初の木質バイオマス発電所が稼働しました。

燃料の木質バイオマスは地域で発生する間伐材や製材端材などを利用してチップ化、バイオマス発電所の燃料用に販売したチップの売上から、森林の所有者に木材の代金が支払われることになります。

当協議会では、引取価格の決定や収集量の調整を通じて、燃料の安定供給と森林の保全を図り、さらに固定価格買取制度(FIT制度)で求められる木質バイオマス資源のトレーサビリティ(由来証明)の管理業務を主要事業として行っております。

主要業務

  1. 木質バイオマスの確保に関すること
  2. 木質バイオマスの品質規格及び価格に関すること
  3. 木質バイオマス利用施設との需給調整に関すること
  4. 発電利用に供する木質バイオマス証明に関すること
  5. 木質バイオマスに関する情報共有に関すること

クリーンエナジー奈良 吉野発電所

奈良県内にある木質バイオマス発電所をご紹介します。

  • 所在地:奈良県吉野郡大淀町大字馬佐391-18
  • 発電出力:6,500Kwh
  • 発電形式:汽力発電
  • 使用燃料:木質バイオマス(100%)
  • 燃料使用量:72,000t/年(生トン)
  • 発電出力:6,500 Kwh
  • 年間売電量:43,000kW(約12,000世帯分)が可能

木質バイオマスとは

 「バイオマス」とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」のことを呼びます。そのなかで、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。 

木質バイオマスには、主に、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮やのこ屑などのほか、住宅の解体材や街路樹の剪定枝などの種類があります。 

一口に木質バイオマスといっても、発生する場所(森林、市街地など)や状態(水分の量や異物の有無など)が異なるので、それぞれの特徴にあった利用を進めることが重要です。

未利用間伐材等

間伐や主伐により伐採された木材のうち、未利用のまま林地に残置されている間伐材や枝条等が年間約2,000万立方メートル発生しています。今後これらを利用していくためには、施業の集約化や路網の整備等により安定的かつ効率的な供給体制を構築するとともに、新たな需要の開拓などを一体的に図っていく必要があります。

製材工場等残材や建設発生木材は、ほとんどが利用されているため、更なる木質バイオマスの利用拡大には、未利用間伐材等の活用が重要な課題です。

製材工場等残材

製材工場等から発生する樹皮や背板、のこ屑などの残材。
年間約850万立方メートル発生していますが、そのほとんど(約95%)が製紙原料、燃料用、家畜敷料等として利用されています。

建設発生木材

土木工事の建設現場や住宅などを解体する時に発生する木材。
年間約1,000万立方メートル発生していますが、そのうち約90%が燃料用や製紙原料、木質ボード原料等として利用されています。

(林野庁ホームページより)

FIT制度とは

再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用の一部を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。

 (資源エネルギー庁ホームページより)

発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン

下記は林野庁にて公表されているガイドラインとなります。
外部サイトへ移行します。

木質バイオマスの供給者が、発電利用に供する木質バイオマスの証明に取り組むに当たって留意すべき事項等について